3/28(木) 14:10配信
読売新聞オンライン

　小林製薬の「紅麹」成分入りサプリメントを巡る問題で、健康被害につながる恐れが高い「未知の成分」が一部含まれる紅麹原料6・9トンの流通先の全容がわかっていない。原料は商社経由でも販売されており、どこまで被害が拡大するか見通せない状況だ。
　小林製薬によると、同社は2023年に紅麹の原料を18・5トン生産。自社のサプリ向け2・4トン以外の16・1トンを取引先52社に販売した。うちサプリ向けの6・9トンの一部に腎疾患などの症状を起こす可能性が高い未知の成分が含まれるという。残る9・2トンは着色や風味付けに使う食品向けで、未知の成分は含まれていないとしている。
　販売先52社には食品や化粧品メーカーのほか、商社が含まれる。27日に開かれた政府の関係省庁連絡会議では、小林製薬の紅麹を原料とする製品を扱う企業は170社以上と報告されたが、最終的な流通先は小林製薬も把握できていない。
　サプリ向け原料を使っていた企業の危機感は強く、機能性表示食品「悪玉コレステロールを下げるのに役立つ濃厚チーズせんべい」を販売していた「ZERO　PLUS」（福岡市）は27日、消費者庁に対し、機能性表示食品の届け出を撤回したと発表した。同社は自主回収を進めており、「原因となった可能性が高い成分が含まれていたかどうかは調査中だが、被害の報告はない」としている。
　化粧品メーカーのノエビアもサプリ「ノエビアDHA＆EPA」を回収している。13年に発売した商品だが「これまで健康被害の報告はなく、予防的な措置として回収した」という。
　一方、健康被害の可能性が低い食品でも、回収の動きが出ている。流通大手イオンは27日、プライベートブランド「トップバリュ」の肉まんなど7品目を自主回収すると発表した。健康被害は確認されていないが、「現時点で紅麹原料の安全性などが確認できないため」としている。
　業務用パン製造の敬明（熊本県合志市）は、熊本県など9都府県の飲食店などに販売したハンバーガーやホットドッグ用のパン4種類の回収を始めた。小林製薬の紅麹を着色料として使用していた。食品加工のタララボ（福岡県みやま市）も、佐賀県の道の駅などで販売していた「紅こうじ甘酒」の回収を進めている。両社とも「健康被害の連絡はない」としている。

ソース　https://news.yahoo.co.jp/articles/8954da24b016a44fa0d4e517752d214a96c39064